虚無が怖い人に、ソクラテスの言葉を贈りたい。


定年も遠くない会社の大先輩と雑談中、「私はもう新しいことやビジネスなどに興味がなくなってきている。ちなみに最近はこんな本を読んでいる」と一冊の本を見せてくれました。
かの有名な哲学者”ソクラテス”に関する本でした。

ソクラテス、などにこれまでの人生にただ一度も興味を持ったことがなかったけれど、かの大先輩の紹介の仕方が面白く、まんまと興味が沸いてしまいソクラテスをググりまくってしまいました。

そして、ソクラテスの言葉の中に、非常に私の心に刺さった言葉がありました。

その言葉は、『ソクラテスの弁明』の中で記述された言葉であり、ソクラテスの死刑が確定した後に”死”に関して彼が発した言葉です。

当然ですが、私は死んだことがないので、死んだ後に自分がどうなるのかについて断言できないのですが、単純に『感覚の全てが消えうせるだけ』だと思っています。
生まれ変わりや魂の存在は信じていません。

でも、これってメチャクチャ怖くないですか?
幽霊の存在とかより圧倒的に怖い。
自分が死んだ後も、宇宙は存在し続けていて、しかし何千億年経とうが、この私が再び感覚を取り戻すことは無いんですよ。
もう人生も半分が過ぎようという年にさしかかっているのですが、このことを考えると、本当に恐怖を感じてしまいます。

しかし、ソクラテスはそんな私に少しだけ救いを与えてくれました。

まず、ソクラテスは死を”虚無”か”転生”のどちらかであろう、と推測します。
そして、それはどちらも幸福であろう、と言っています。

え!? 虚無、超怖いじゃん!という私をよそに彼は続けます。

またもしそれが全ての感覚の消失であり、夢一つさえ見ない眠りに等しいものならば、死は驚嘆すべき利得と言えるであろう。

利、利得!?

つまり、夢すら見ないほど熟睡した時って超気持ち良いじゃん、でも、それって後から自覚できないでしょ? 死ってそれが永遠に続くだけだからお得だよ。
ということらしいです、たぶん。
(私は彼がそう言っていると解釈しています)

そっか。
じゃ、それほど恐れることもないかな……、ってやっぱり怖いよ!

機会があればソクラテスと、ではなく、前述の大先輩とそのあたりを語りあいたいな。


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