『問題は、躁なんです 正常と異常のあいだ』春日武彦


春日武彦さんの『問題は、躁なんです 正常と異常のあいだ』を再読しました。

躁状態にある人間は、一見すると前向きでエネルギッシュなので、病気として自覚されづらいし周りも気づかない。
その分、危険な状況に陥ることがある、という内容の本です。
うつ病は症状がわかりやすい分、対処しやすいと言えなくもないんですね、躁に比べると。

躁がなぜ危険なのかというと、躁状態の人間は活動的であるため、経済的にも人間関係的にも過剰な行動をしやすいが、そういう人の活動は周りの人に利益をもたらすこともあるので、その行動がどんどんエスカレートしていっても止めようがないんですね。
わかりやすい例でいうと、躁状態の中年男性がキャバクラで常軌を逸したお金の使い方をしていたとしても、それを止めさせようとするキャバクラ嬢はいないだろうってことです。

また、この本では著者が「あの人は躁状態であったのであろう」という有名人の行動などを紹介しているが、これがなかなかエキセントリックで驚きを禁じ得ないものが多いです。

代表的なものは「笑っていいとも」テレビジャック事件での有吉佐和子の話。

ほかにも「なぜこの人はこんなことをしてしまったのだろう」という不可解な事件も、躁状態であったことを理由とすると納得できそうなエピソードが紹介されています。
許容できるか、という点についてはまた別の話ではありますが。

心が不安定になりがちな昨今、「うつ」だけでなく「躁」の知識も持っておくのはオススメです。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください